Vol.6 アフリカのコラ
出演:ママドゥ・ドゥンヴィア
2016年10月8日(土)14:00〜15:30
ギタリスト、作曲家、編曲家、またアフリカの民族音楽「コラ」奏者として幅広く活躍するママドゥさん。TV「ここがヘンだよ日本人」にレギュラー出演の経験もあります。「コラ」とはアフリカのハープで、包み込むような優しい音色がします。
ママドゥ・ドゥンビア Mamadou Doumbia
ギタリスト、西アフリカ伝統弦楽器奏者(コラ、ンゴニ)、作曲・作詞・編曲
マリ共和国クリコロ県生まれ
11才よりギターを始める。高校時代には既にレコーディングをするなど学生ミュージシャンとしてキャリアをつむ。
緻密で鋭い切れのギターワークが持ち味。音楽大国マリのビックバンド「バマサマ」「レイル」両バンドのメンバーとして早くから活躍する。
1986年渡仏。アフリカミュージシャンのギタリストとして活動する傍ら、多くのミュージシャンに自身の楽曲を提供する。
1990年にはサリフ・ケイタのバンドメンバーとしてワールドツアーに参加。ロスでは、ママドゥのヒーローの一人でもあるサンタナとも共演した。このワールドツアーで初めて日本の土を踏む。
1991年秋より活動の拠点を日本に移す。
1993年アコースティックユニットのMANDINKA Acousticとダンスナンバーを中心にオリジナル曲を演奏するMANDINKAを結成する。定期的なライブコンサートを軸とし、各地でのフェスティバル、イベントに出演するなど精力的に活動を始める。
1994年には、初のアコースティックソロアルバム「SOBE」をリリース。
1995年11月にビクターエンターテイメントよりMANDINKAでの初アルバム「INDEPENDENCE」をリリース。ミュージックマガジンでは、95年のワールドミュージックベストアルバムに選ばれている。
1997年1月にバンド名をMAMADOU DOUMBIA with MANDINKAと改め、セカンドアルバム「YAFA」をリリース。共に、ヨーロッパ、北アメリカでもリリースされている。
同年6月ヨーロッパツアーを敢行。セカンドアルバム「YAFA」が、イギリスのBBCミュージックマガジンで、「The best CDs of 1997」の一タイトルに選ばれる。
2000年5月初のマキシシングル「BIRDS」をリリース。TV番組「ここがヘンだよ日本人」のエンディングテーマ曲となる。
2008年5月TICADⅣ(第4回アフリカ開発会議)オープニングパーティーで天皇皇后陛下、日本政府高官、アフリカ諸国首脳にコラの単独演奏を披露する。
2011年2月よりマリにおいてTEPCUMA代表として「フェスティバルグリオ」を主催している。
現在、コラ、ンゴニ、アフリカン・ギターなどアフリカ音楽や文化紹介のため国際交流イベントや学校コンサート、サロンコンサートなど日本各地で公演している。また、コラワークショップも開催中。
マリ共和国について
マリ共和国は西アフリカに位置し、かつてフランス領であったため、公用語はフランス語です。そのほかに各民族ごとの言語があります。一番多いのはバンバラ族です。「マリ」とはバンバラ語でカバを意味しています。昔々、不思議な力を持つカバがニジェール川に住んでいたといういわれが伝わっていて、首都バマコにはカバの銅像が建っています。
グリオの音楽
サバンナ地帯を中心とした西アフリカには、グリオと呼ばれる世襲制の音楽集団が存在しました。グリオは単に楽器の演奏をするだけではなく、歴史上の英雄譚、遠方の情報、各家の系譜、生活教訓などをメロディーに乗せて人々に伝えます。文字のなかった時代には彼らの役割は大きく、その知識量の豊富さから王の側近などに取り立てられるグリオもいました。グリオの楽器にはコラ、ンゴニ、ボロン、太鼓のサバール、タバラ、木琴の一種であるバラフォンなどがあります。それぞれの家系は扱う楽器が決まっており、コラの家系はコラ、バラフォンの家系はバラフォンの演奏方法を親から引き継ぎます。
グリオに対して人々は畏敬の念を持っているため、彼らの楽器はとても神聖なものとされてきました。その昔、一般人はその楽器に触れることすら許されなかったといいます。グリオからはマリのサリフ・ケイタやセネガルのユッスー・ンドゥールなど、多くの世界的ミュージシャンが輩出しています。
KORA / コラ
ハープのように弾くリュート型をした楽器。とても美しい音色で、日本の琴の音に似ています。
胴体は、大型の瓢箪を半分に切ったものです。天然素材なのでサイズは一定ではありません。切り口には牛か鹿あるいはヤギなどの皮を被せて瓢箪に鋲で留めます。コラの持ち主はそれぞれ好きなデザインをこの鋲で描きます。
瓢箪には、径3.5センチ内外、丈70~74センチぐらいの長い棹が貫通していて、楽器を支えるために握る棒が、棹の両サイドに突き出ています。
演奏家は、中指・薬指・小指、と掌でこの棒を握り、のこる人差し指と親指で弦をかき鳴らします。
弦の数は、21本がスタンダードですが、奏者によって増減があるようです。17~23本ぐらいのものをコラと呼ぶようです。中には、もっと多くの弦で演奏してる奏者もいます。(ママドゥは23本かな)
弦は、長い棹に巻きつけてある木の蔓でできた輪に1本ずつくくりつけられていて、その輪をずらすことで調弦をします。
王様が眠れない時など、演奏してもらうとよく眠れたそうです。
まさに癒しの楽器です。
ギャラリーオアシス Facebookページより「世界音楽紀行 アフリカのコラ」ご報告
杉浦 恵(ギャラリーオアシス店長)
今回も、雨にもかかわらず、沢山のご参加ありがとうございました!
ママドゥさんの演奏、静かで高らかな音色で、落ち着きと安らぎのひと時でした。
またママドゥさんと太郎さんの演奏、ママドゥさんの嬉しそうな笑顔が、この演奏の心地よさを物語っていました。
今回は、子供たちの参加が多く、子供たち、奏者の真ん前で食い入るように観て聴いていました。最後に「大きな古時計」を子供たちがヴォーカルでいっしょに演奏に参加して会場が一体となっていました!
時間が止まったような素敵なひと時をありがとうございました!