美しい詩を、哀愁漂うメロディーにのせて

Vol.5  アフガニスタン音楽

出演:ちゃるぱーさ(佐藤圭一、やぎちさと) 

2016年9月3日(土)14:00〜15:30

 

長く続いた戦乱により埋もれてしまったアフガニスタン音楽は、ようやく世界の注目を集め始めました。その宝石のような煌めきを発掘する旅に一緒に出かけましょう!

Profile

ちゃるぱーさ

「ちゃるぱーさ」はダリー語 で「ヤモリ」を意味する言葉で、ラバーブなど弦楽器担当の佐藤圭一とヴォーカル、パーカッション担当のやぎちさとによって 2007 年の初頭に結成されました。日本全国で 200 回以上のコンサートを行う他、カルザイ大統領来日時の大使館での演奏や、グルザマン師の日本公演でのサポートなど、アフガン音楽の紹介と普及に努めています。

 

佐藤圭一
ラバーブ、ウードなど多彩な撥弦楽器を奏る。各国の楽器と音楽理論を学び、おしゃれジプシィ、さとりやきに参加、楽曲を提供する。「ちゃるぱーさ」主宰。 http://k1info.blog101.fc2.com/

 

やぎちさと
「ちゃるぱーさ」では歌と太鼓を担当、その土地の言葉で歌われる歌はアフガニスタン大使のお墨付。 http://chevre.blog.shinobi.jp/

 

日本では殆ど紹介されることのないアフガニスタンの音楽。しかしそこには多民族国家ならではのバラエティに富んだ伝承音楽と、流動する文化に培われた芸術音楽、そしてSP レコードとラジオ放送によって全国に普及した大衆音楽がありました。

 

パシュトゥーン、タジク、ハザラ、ウズバキなど、様々な民族が織りなす多様な音楽を、20本ほどの弦が張られた皮張りの弦楽器ラバーブと、イランの打楽器トンバク、 現地の言葉による歌声でお届けします。

 

アフガニスタンは詩の文化の国です。子どもたちは幼い頃からいにしえの詩人たちが紡いだ言葉を習い覚え、それが彼らの精神的支柱となっていきます。千年以上前の詩人によって書かれた詩が現在も歌い継がれ多くの人に愛されている、それがアフガニスタンの文化的風土です。

「葦笛の歌(抜粋)」

マウラーナ・ジャラールッディン・バルヒ作 西田今日子訳

 

葦笛を聴け、それが奏でる物語を、 

別離を悲しむその音色を。

慣れ親しんだ葦の茂みより刈り取られてのち、

私の悲嘆の調べには、男も女も涙する。

誰であれ遠く切り離された者は切実に願う、

かつてひとつであった頃に戻りたいと。

これこそは愛の炎、これこそが葦笛の愛。
これこそは愛の熱、それは葡萄酒にも見出せよう。

 

葦笛は語る、かつて多くの血が流されたその道について

マジュヌーンの情熱の物語について、繰り返し奏でる



Impressions


ギャラリーオアシス Facebookより「世界の音楽紀行Vol.5 アフガニスタン音楽ライブ ご報告」

杉浦恵(ギャラリーオアシス店長) 

 世界音楽紀行シリーズ、アフガニスタン音楽が93日に開催されました。
 今回も大勢のお客様にお越しいただき、ありがとうございました!
 楽器は佐藤圭一さんの弾くアフガンルバーブという弦楽器と、やぎちさとさんによる太鼓のトンバクと歌。
 佐藤さんは、アフガン難民から友人が譲り受けたというルバーブを、レコードや文献から独学で演奏するようになったという凄い方です。もともとリュートなども演奏されてヨーロッパでも活躍されていたとか。
 相方のちさとさんは、アフガニスタンの言語の響きの美しさに魅せられて、歌うようになったとか。美しい民族衣装で歌ってくださいました。詩も解説してくださいましたがとっても素敵な詩ばかりでした。
 今回のライブで面白かったのは、参加した幼い子どもたちがノリノリだったことです。毎回お母さんとやってくる女の子は、頭をぐるぐる回して踊っていました。
 物騒なニュースの絶えない中東ですが、アフガンの子どもたちが、こんな風に安心して過ごせる日が来るようにと願わずにはおれません。