アイヌ、サハ、トゥバ、ベトナムやタイ、南インドなど、口琴は世界中で愛されている不思議な楽器です。日本口琴協会会長にして、口琴の研究者でもある直川礼緒さんが、世界中で奏でられている口琴の魅力を紹介してくださいました。
(当日のレジュメより)
●いろいろなところで登場している口琴
映画「夕日のガンマン」「ゴッドファーザー Part III」「スヌーピー」「海獣の子供」
文学「空家の冒険(シャーロック ホームズ)」コナン ドイル 「トム・ソーヤーの冒険」マーク トウェイン、「最後の一葉」O. ヘンリー
テレビ「ど根性ガエル」「暴れん坊将軍」
CM コミックス「ゴールデンカムイ」野田サトル、「シュマリ」手塚治虫
●口琴のタイプと分布
●口琴の名称
ホムス(ロシア連邦サハ共和国)
ムックリ(日本、アイヌ民族)
ゲンゴン(インドネシア、バリ島)
クンビン(フィリピン、マラナオ族)
スサプ/リヌ、(パプア・ニューギニア、エンガ族)
マウルトロンメル(ドイツ)
ホホ(中国雲南省イ族)
●演奏方法・目的
●サハの口琴文化
●日本の口琴
プロフィール
直川礼緒(ただがわ れお)口琴奏者
1960年石川県金沢市生まれ。早稲田大学第二文学部演劇科卒業。
学生時代は早稲田大学モダンジャズ研究会に所属し、ピアノを弾いていた。1980年代のはじめ、タンザニアのゴゴ族の大型親指ピアノイリンバの研究のため単身アフリカへ旅し、タンザニアでイリンバなどの伝統奏法、製作、調律法などを修得。卒業論文にまとめ、小島美子に高い評価を受け、東洋音楽学会に推薦を受ける。
インドネシアのバリ島ではガムラン音楽を学び、スカル・ジュプンのメンバーとしてバリおよび日本で演奏。80年代後半はイリンバ奏者としての活動が目立つが、青山子どもの城でのワークショップ指導などを経て1990年、日本口琴協会を設立。不定期刊の機関紙『口琴ジャーナル』を創刊。
1980年代後半~1990年代後半に六本木ストライプハウス美術館で毎年開催された「サウンド・ガーデン」(吉村弘プロデュース)に参画。
1995年の国民文化祭 栃木では「世界楽器フェスティバル」のプロデュースやイリンバのコンサート等に活躍。水戸芸術館現代美術センターで開催されたワークショップ「奇奇怪快楽器団」にも講師の一人として参画。
1999年~2006年 宮城教育大学非常勤講師。
2001年 ニュージーランド ヴィクトリア大学ウェリントン校客員講師。
2002年~2006年
インターナショナルジューズハープソサイエティ(国際口琴協会)書記。
2003年 中央アジアのロシア連邦トゥヴァ共和国で開催された「国際ホーメイ(喉歌)フェスティヴァル」口琴部門優勝。2003年~和光大学オープンカレッジ講師。
2005年 サハ共和国市民名誉勲章受章。サハ共和国文化功労者。
世界各地で開催された口琴フェスティヴァルや民族音楽のシンポジウム等に参加。演奏・研究活動のほか、日本口琴協会の代表として世界各地の口琴奏者の招聘公演の企画・制作を多数手がけている。都民カレッジ、朝日カルチャーセンター、東京音楽大学民族音楽研究所公開講座などで口琴・倍音音楽講座を担当。大林宣彦監督の映画『あした』では口琴演奏・指導を手がけ、「タモリ倶楽部」等のテレビ番組にも出演。
少数民族アイヌの伝統楽器であると同時に平安時代の関東でも使われ、江戸時代(文政年間)に大流行し、ご禁制になった歴史を持つものの、現代では非常にマイナーな楽器「口琴」や、喉歌ホーメイ、ホーミーなどの研究・普及に資した功績は多大なものがある。
2009年3月には第1回国際口琴フェスティヴァルを東京音楽大学で開催。
出典:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本口琴協会HP http://www.koukin.jp/
ギャラリーオアシス Facobookページより
先日の世界音楽紀行は直川礼緒さんによる口琴の演奏が行われました。
雨の中にもかかわらず、お越しくださった皆様、ありがとうございました。
世界中の様々な場所にありながら、
どの国でもマイナーな楽器として扱われている口琴。
実は「スヌーピー」や「ゴッドファーザー3」の映画に楽器が登場したり、
日本でも「ど根性ガエル」や映画「海獣の子供」などで音が使われているそう。
音楽紀行でも時々使われ、
独特な「ミョ〜〜〜ン」「ビョ〜〜〜ン」という変わった音のイメージでしたが、
直川さんの演奏を聴いてビックリ。
音色だけを巧みに使って「証城寺の狸囃子」を演奏したり、
世界一寒いサハ共和国の喜びの音色、雪解けの水の音や馬の走る音を表現したりと
口琴の宇宙に引き込まれていきました。
直川さんの口琴のお話しは、とてもとても興味深く、
すっかりファンになってしまいました。
口琴そのものだけではなく、口琴に魅了されている直川さんに大変興味が湧きました。
直川さんと太郎さんとの即興は、
ずっと聴いていたくなる無限的演奏でした。
太郎さんは、森の中を、「こっちへ行ったら面白い道がありそうだな・・・」と歩いていく感じで
演奏されているそうです。
直川さんは、「宇宙の中を歩いている」そうです!
森と宇宙が、会場いっぱいに広がっていて、どこまでも続いてほしかったです。
今回はCDや口琴の販売もありました。
会終了後、スタッフみんなが、
口琴に走り寄りました。私も3種購入しました!
口の中で音を共鳴させるために軽くくわえ、指で弾く。
吹いて音を鳴らすと思っていた私は大変驚きました。
まだまだ綺麗に響かせるには修行が必要ですが、
とても面白い楽器にすっかり虜になってしまいました。
素敵な演奏をしてくださり、本当にありがとうございました!
次回8月17日はインドネシアの歌です。
皆さまのお越しをお待ちしています!