第26回目、ネパール音楽の回でした。ネパール愛たっぷりのおしゃべりと、素朴で楽しく滋味あふれる演奏で、会場はあたたかい雰囲気に包まれました。バンチャパリワールの皆さんはネパールに滞在している期間に音楽を学び始め、帰国してからも練習と演奏活動を続けています。関西と東京とネパールあわせると、メンバーは100人を超えるそうです。最後はバーンスリーも加わって、ネパールの有名な曲、レッサンピリリを大合唱!
サーランギ
リュート属に属する擦弦楽器。私達が「サーランギ」と呼んでいるのはいわゆるネパールサーランギの 事です。インターネットで「サーランギ」と いうワードで検索すると、長方形の胴体にたくさんの共鳴弦を持ったインドのサーランギも表示されますが、こちらは似ているようで異なる楽器です。ネパールのサーランギは一本の木をくり抜いた共鳴胴に山羊の革を張った、バイオリンに近い容姿で演奏弦三本、共鳴弦一 本で演奏する素朴な楽器です。昔はガンダルバといわれる旅の楽師たちだけが用いていましたが、近年ではコンサートなどのいろいろな場面で演奏されるようになりました。
マーダル
ネパール音楽の伴奏に使われる打楽器。大きさの異なる二面を持つ筒状の両面太鼓。胴は木製、膜面は山羊の革、両面を張るために水牛の革紐が使われています。革の鼓面には膜面に炭と膠、若しくは鉄粉と米粉を混ぜた黒い練り物を塗り、音の響きがよくなるようにしてあります。調律は、革紐で編まれた膜面の縁をハン マーで叩き張り具合を変える事で行います。
ネパールでは一般的な打楽器で家庭にも普通に置いてあったり、地域の祭りで演奏したり、コミュニティーが所有していている物を自由に触れる環境だったりで、特別習った訳でもないのに鳴らせる人がかなりいます。これ一つあれば、歌って踊って盛り上がれる、ネパールの身近な楽器です。
◆演奏プログラム
1部 カトマンズの祭
1 ジャエ ナモ スリ ブッタ
(ブッタを称える歌)
2 ティージ(女性の祭り)
3 マルシュリ(ダサイン祭)
4 サンギニ(仲間を迎える曲)
5 バサンタ(春の到来を祝う)
6 ホーリー(ホーリー祭)
2部 村の歌 山の歌
7 サグリ バルニ ハウ
8 ソラティ
9 レカカハミ ケタケティ
10 コーダ
アンコール レッサムフィリリ
バンチャ・パリワール
サーランギやマーダルを中心としたネパールの楽器、音楽のグループ。バンチャとはネパール語で台所、パリワールは家族という意味。
メンバーは、2005年頃からボランティアや留学でネパール滞在中のかたわら、ネパールの著名なサーランギ奏者であるバーラト・ネパーリー氏にサーランギやマーダルを習っている。帰国したメンバーは現在、関西と関東を中心に練習や演奏を行っている。国内では、国立民族学博物館で行われる「音楽の祭日」や、「川崎アジア交流音楽祭」などに出演。また、国際協力関係のイベントなどでの演奏や、ネパール料理レストラン等でのライブなども行っている。
<本日の演奏メンバー>
ノルブ:マーダル担当。東京都在住。
カンチ:サーランギ担当。バンチャ・パリワール代表者。大阪府在住
カジュ:マーダル担当。大阪府在住
クロママ:サーランギ担当。千葉市在住
カウリー:サーランギ担当。東京都在住。
寺原太郎(バーンスリー)☆ゲスト参加
先週の世界音楽紀行では「ネパールの音楽」が開催されました。
足元の悪い中、遠くから、近くからたくさんのお客様にお越しいただきありがとうございました。
ネパールの音楽グループ「バンチャ・パリワール」の方々の演奏は軽やかでリズミカルな曲からしっとりとした上品な曲まで様々な音を奏でて下さいました。
前半ではお祭りの曲をいくつか演奏されました。
というのも、夏の間沢山のお祭りがあるらしく中でも「ホーリー祭」という色水を水鉄砲や水風船やバケツにいれてかけ合う祭は一週間続くそうです。
町も人も色とりどりになり、楽しむ人々の賑わいの様子が眼に浮かぶような演奏でした。
後半では、物語に沿った演奏が披露されました。
「ネパールの山に住んでいる学校に行けない、それでも勉強がしたくて雪の上に指で指先霜焼けになるまで文字を書いているネパールの子供たちの健気な姿を描いた物語」や、「広いネパールの地域の中で遠い街に結婚をして嫁いだ女性が長い間会っていない故郷の母を思う物語」といった思わず涙が出てきてしまいそうな、しかし、すがすがしさと真の強さを感じるしっとりとした曲でした。
国々に囲まれたネパールは、衣装もさまざま。奏者の方の衣装も、女性の正装は赤いサリー。男性の正装は四角い形をしたネパールの帽子にジャケット。サリー以外の衣装も、布の織りや装飾、模様のスカートなど、思わずスケッチしてしまうくらい、細やかで美しいものばかりでした。靴はサンダルや革靴、スニーカーと、自由度が高かったです。
視覚的にもとても楽しませて頂きました。
奏者のバンチャ・パリワールの皆様、有難うございました!
次回10月6日は「アラブの歌」です。
情緒あふれる歌の数々をお届けしてくださいます。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
スタッフT