南米ベネズエラの旋律とリズム

ベネズエラの4弦ギタークアトロ、フルート、ギターによるベネズエラ音楽をお楽しみいただきました。ベネズエラの音楽といえば有名なのはコーヒールンバですが、親しみやすい音色とリズムで、たのしいひとときとなりました。

ベネズエラの音楽

 

 ベネズエラは南米大陸の北東部に位置する国です。日本に住んでいるとこの国の情報を知ることはあまりないかもしれません。しかし、先住民系、ヨーロッパ系、黒人系の人々とその混血による多様な人々が暮らしており、大平原が広がるジャノ地方、高い山々が連なるアンデス地方、南米最大の湖マラカイボ湖があるスリア地方など変化に富む自然に囲まれたこの国は、多種多様な音楽文化が育まれています。

 ベネズエラの音楽として、もっとも有名な曲に「コーヒールンバ」がありますが、この曲だけでなく、様々なリズムやスタイルの音楽がたくさんあります。

このコンサートでは、様々な地方の音楽をもとに作曲されたベネズエラの曲を、フルート、クアトロ、ギターのアンサンブルでお届けします。

 

◆ リズムについて

 

 

ベネズエラの音楽の魅力は多彩なリズムにあります。リズムの種類ごとに独特のノリや形式があり、その音楽を特徴を表現します。最初は日本人には馴染みにくいリズムもありますが、慣れるとクセになるかも…?

 

Vals バルス

スペイン語でいうところのワルツ。ヨーロッパ由来の優雅な雰囲気と美しいメロディを持つ曲がたくさんあります。

 

Orquidea オルキデア

コーヒールンバ(原題Moliendo Cafe)のために編み出されたリズム。ベネズエラ音楽には珍しい4拍子です。

 

Joropo/Pasaje ホローポ/パサーヘ

 

ベネズエラを代表するリズム。地方ごとに少しずつ違ったホローポがあり、その魅力も様々です。踊るための早いテンポのものをホローポ、歌のためのゆっくりしたものをパサーヘといいます。

 

Merengue メレンゲ

とても珍しい5/8拍子のダンス音楽。かつてベネズエラでは国中がこのリズムで踊っていたと言われています。

 

Danza ダンサ

スリア地方と呼ばれるところの黒人系の影響を受けたリズムです。

 

Onda Nueva オンダ・ヌエヴァ

 

直訳すると「新しい波(ニューウェーブ)」。ブラジルのボサノヴァ(新しい歌)に対抗して作られた新世代のリズムです。

 

◆楽器について

 

クアトロ

ベネズエラの国民的楽器。4本の弦を持つのでクアトロ(スペイン語で「4」の意味)。ギターよりも小型で、右手で様々なリズムを刻むアンサンブルの要です。

 

フルート

メロディ楽器としてクラシックのみならず伝統的な音楽にも広く使われています。

 

ギター

 

いわゆるクラシック・ギター。ベネズエラをはじめとする南米諸国では、大衆的な音楽でもフォーク・ギターよりもナイロン弦のクラシック・ギターが使われることが多いです。

演奏者プロフィール

際田泰弘(クアトロ)

2007年にベネズエラより来日した、ラファエル・ポジョ・ブリートのプレイに衝撃を受け、クアトロを弾きはじめる。2011年以降、ベネズエラのマンドリンの巨匠、クリストバル・ソトが主催するワークショップに参加し、本場のミュージシャンと交流。日本でベネズエラ音楽のエッセンスを伝えるべく演奏活動をしている

 

渡部寿珠(フルート)

桐朋学園芸術短期大学卒業。卒業演奏会に選抜される。その後桐朋学園大学に編入、卒業。同研究科修了。ルーマニア国立ブラショフフィルハーモニー交響楽団、愛媛大学交響楽団とソリストとして共演。クラシックに限らず、舞台音楽やライブなど「ジャンルレス」をモットーに活動。参加作品:SKE48古畑奈和CD・ロハス製薬ALFACE TVCM「オルフェス」、SPAC「王国、空を飛ぶ!」、朗読者in川口「外科室」他

 

土田克彦(ギター) 

家にあったクラシックギターを小学生のころに弾き始め、今に至るまで独学で続ける。2012年、際田と共にベネズエラ音楽ユニット、ボラーチョスを結成。以降『シンプルな譜面なのに複雑なリズム』のベネズエラ音楽の魅力にとりつかれる。ボラーチョス主催のコンサートにおいて、現代ベネズエラマンドリンの最高峰、リカルド・サンドバルと共演。


Impressions

6月30日の世界音楽紀行は、ベネズエラ音楽のコンサートでした。
ベネズエラ音楽にかかせないクアトロの音、心地の良い低音を響かせるアコースティックギター、クラッシックにはないフルートの大胆な演奏。
新鮮で独特なリズムのワルツ三曲で初まり、リズムの違いに会場を驚かせたあとは、日本人にも馴染み深いコーヒールンバの曲など幅を利かせた演奏で魅了してくれました。
演奏の合間で話されるベネズエラの文化や、奏者さんと楽器との出会いのお話もとても面白かったです。
コンサートが終わる頃には、会場の心が一つになり、体を揺らしながら手拍子をしたりと初夏にぴったりな、楽しいコンサートとなりました。
奏者の際田さん、渡部さん、土田さん、素敵な演奏と沢山の笑顔をありがとうございました!

7月の世界音楽紀行はおやすみです。
次回は8月11日、カザフスタンのコンサートになっています。
山の日の祝日、夏休みのお子様とご一緒にいかがでしょうか?
お越しくださるのを、スタッフ一同心よりお待ちしております!

ギャラリーオアシス スタッフT

世界音楽紀行、6月は南米ベネズエラの音楽を聴きました。
南米っていろんな音楽があると思ってたけど、ベネズエラもいろんな民族がルーツの豊かな音楽文化があるそうです。

リズムが豊かなのも楽しい〜!8分の6拍子はワルツに装飾のリズムが入った感じ。8分の5拍子はサルサのツー・スリーを想像したけど全然違う。6−1=5でちょっと拍が欠けたような不思議な感じ。これでどうやって踊るのか?!面白いなぁ。

それにしても南米の音楽はどうしてこんなに心地よいのか。心がほぐれてくみたい。今回はフルート、クアトロ、ギターのユニット。これにベネズエラではよく一緒に演奏するハープが入ったらどんな音楽になるのかな? (T様 FB投稿より)